2024年4月

	令和6年4月
① 神野祐紀雄	・雪吊を解(ほど)く鋏の音軽し・五輪枠０秒１に春の夢
② 遠山園生	・末っ子も喜寿と叫ぶや山笑ふ・庄内の中州覆ふや春の水
③新城岩夫	・病室の窓が絵となり山笑ふ・春眠や亡妻のまだいる暮らしなど
④中根弘子	・弓なりの大地の鼓動山笑ふ・満開の桜の下で遊山箱
⑤池上悦美	・山笑ふ素敵な季語にほつこりす・何も彼も集中出来ぬ花粉症
⑥木田美智子	・春嵐乱れし髪に手櫛入れ・初燕我が子の元へ急降下
⑦ 加藤太一	・山笑ふ虎の衝立て一休寺・山笑ふ渡るな橋の小さきこと
⑧西尾えり子	・里山の木々の揺らめき山笑ふ・雨上がりシートを拭きて待つ花見
⑨ 三浦鏡子	・山笑ふピンクに染まる町の中・長閑さや老人二人の立ち話
⑩磯村通子	・死亡欄の歳に反応山笑ふ・目の痒さ訴へる友杉花粉
⑪水井峰子	・岐阜敦賀越えて小浜や山笑ふ・看護師のやさしさの中めざむ春
⑫梶野弘美	・朝市に増える初物山笑ふ・里山の春鳥も呼ぶ湯の香り