2022年10月

	令和4年10月
① 神野祐紀雄	・補聴器もスマホの差配虫の闇　　　　・秋うらら白鷺城の錆はじめ
② 遠山園生	・長き夜や枕辺に置く電子辞書・飛び立ちし鷺の川辺や彼岸花
③ 青木志津	・咳一つ目覚むる父の長き夜・長き夜や昭和歌謡の深夜便
④ 新城岩夫	・蝶二頭恋を舞ひをり彼岸花・誰がために鐘はなるなり秋葬儀
⑤ 中根弘子	・長き夜やめくるアルバムセピア色・古代史の舞台をかける竜田姫
⑥ 池上悦美	・友の推す推理小説夜長かな・芋を煮るだけの一日を過ごしけり
⑦ 木田美智子	・長き夜やすることもなく大欠伸　・ざくざくと稲刈る鎌や小気味よし
⑧ 加藤太一	・蝶とんぼブルーの翅に日の光・秋の園橋下にぬっとヌートリア
⑨ 長谷川弘代	・朝ぼらけお尻ふりふり秋鴉・針穴の糸もどかしき夜なべかな
⑩ 西尾えり子	・秋の夜時計目で追ひ巡る旅・凛々しさと睨みをきかす秋の城
⑪ 三浦鏡子	・庭に出て星空仰ぐ夜長かな・長き夜起き出して見る旅雑誌
⑫ 磯村通子	・根詰める事もなくなり夜長し・遠来の友は真ん中秋うらら