2018年6月

	平成30年6月
① 神野祐紀雄	・片耳の背後の気配木下闇・片陰に児ら手押車の中に外(と)に
② 丹羽しづ子	・夏つばめ戸ぐち五寸の開けしまま　　・錠剤を並べ確かむ夏夕餉
③ 遠山園生	・夏霧やかすかに風車三河湾・十薬や可憐の花にしつこさも
④ 青木志津	・袋掛け新しき風通り抜けり・喜寿の会思い出補正春の行く
⑤ 新城岩夫	・花菖蒲ひとり佇む風やはし・花樗想ひを繋ぐ今昔
⑥ 尾崎洋子	・夏雲へ末広がりに楠大樹　　・梅雨寒や足元濡らし仁王像
⑦ 加藤初代	・茄子の花あだ花なきと母の言う・梅雨冷や日本一かなし子の手紙
⑧ 中根弘子	・メモ書きの幾多の名前きらん草・山路来て風の木洩れ日谷うつぎ
⑨ 田所あつ子	・梅雨の朝懐かし人に別れつつ・アナベルや日毎大きく雨に咲く
⑩ 池上悦美	・失せ物の出でて梅雨の晴間かな・風そよぐ七夕流し父娘
すずき　こうし鱸鉱志先生	・軒川や雨輪すいす通し鴨　　　　・ビール干す八十ラストのクラス会